催眠術師 催眠心理療法士 浪花之哲 【 山野 哲司 】

催眠術師 浪花之哲が、大阪を離れて
新天地 九州 博多天神で大暴れ
さてどうなるやら !

間接暗示

日常で人を動かすためには、 『間接暗示』は必須のテクニックです。 最近では、NLPなどの影響もあって、 「現代催眠」や『ミルトンモデル』として 間接暗示の手法も広まってきていますよね 世に出回っている「人を操る技術」 例えばミルトン話法や、 社会心理学における説得の技術など、 ほとんどがこの間接暗示の手法を 一つ一つ解説しているようなものです。 ですが、 これら星の数ほどある 『間接暗示』のテクニックを、 一つ一つ覚えて実践していくことは かなりのトレーニングが必要であることは 言うまでもありませんし、 すぐに実践で身につくほど 簡単なものではありません。 しかし、 間接暗示の根本の原理本質を理解すること それだけで一気に応用範囲が広がり、 使いこなすまでの時間が短縮されます。 では『間接暗示』の本質とは何でしょう? 間接暗示の本質とは それは、『イメージさせること』 ただそれだけです。 間接暗示とは、イメージさせること。 この言葉をまずは覚えてくださいね。 では、何をイメージさせるかですが、 もちろん、こちらが伝えたいことです。 こちらが真に伝えたいこと、 それを相手に『イメージさせる』のです。 相手はこちらが伝えたい『価値観』を 心のどこかで必ず拒否しています。 または、それが正しいのかどうかを 『理性』というフィルターで 分析して判断しようとします。 だから、私たちは 相手の価値観をこちらに近づけるように 説得して相手を動かしたいわけですが、 相手の理性のフィルターが働いていると それが到達することは難しいことは 容易に想像できます。 ですが、『イメージ』というのは、 相手の理性のフィルターの外にあります。 相手の言語空間の外側にあるものです。 言い換えれば、相手の理性という 思考空間・言語空間の外側に 誘導したい価値観を埋め込むのです。 ではどうやってイメージさせるのか? 全ての間接暗示のテクニックに 共通して言えることが、 相手が理性で考える『対象を別に』与える ということです。 つまり、相手の理性を、 こちらが誘導したいものとは別の方向に 向けさせるのです。 『思考の対象をズラす』わけです。 そして、 相手の理性がその『ズラされた別の問題』 を処理するためには、 必然的に、こちらが本当に与えたい情報を イメージしなければ解決できない、 そういう状態を作り出す、 それが『間接暗示』の本質、 イメージさせる、ということなのです。 これを聞くと、 ミルトンエリクソンの催眠技法の 『前提』というテクニックが 思い浮かぶ方も多いと思いますが、 『前提』だけが間接暗示ではありませんが つまるところ、これに全て集約されます。 相手の意識とは、理性です。 理性とは、あらゆる記憶や 五感で感じる情報を、言語で認識して、 分析・判断しようとする機能です。 さらに言えば、理性は、複数の問題を 同時に処理することはできません。 理性の処理の対象外となったものは、 全て「イメージの処理」となるのです。 「イメージ」の部分においては、 何も情報を判断することができません。 受け容れるのみの状態です。 これがいわゆる「無意識」 と呼ばれるものなのでしょう。 もし、何か間接暗示のテクニックを 使いたいと思うのなら、この、 「イメージさせること」 「理性の対象を別にズラすこと」 これを常に意識していれば、 その状況、場面に応じた 最適な暗示を使うことができるはずです。 最後に注意点ですが、 相手がイメージしにくいもの、 を与えてしまったら、 それは、必然的に『理性の処理対象』 に変わってしまいます。 そういう意味で、 相手が次にイメージできるものは何か、 を常に考えながら、話を進めることは 非常に大切なスキルとなってきます。