催眠術師 催眠心理療法士 浪花之哲 【 山野 哲司 】

催眠術師 浪花之哲が、大阪を離れて
新天地 九州 博多天神で大暴れ
さてどうなるやら !

催眠術と超能力 ?

催眠下で顕現した脅威の予知能力


こうした体験を経るにつれ、私は催眠が人間の能力をどこまで引きだせるのか、その興味にかられ、さまざまな実験を試みていった。


もう十数年も前のことである。叔母を催眠誘導し、世界最高の「霊能者」だと思い込ませてみたことがあった。最初はありきたりの質問から始まり、たとえば「近いうちに、東京に大きな地震はありますか」という質問に対しては、叔母は何も考えずに「ないわよ、これから10年はない。だけど西のほうにはあるわね」という答えが返ってきた。


私としては、その当時から10年は東京に大地震はないが、西のほうには10年以内に大きな地震があると受け止めた。それから数年が過ぎた1995年1月に阪神大震災が起きた。叔母がいったのはこのことなのかどうか、今もよくわからない。だが、叔母の言葉で、私が西のほうで大きな地震があると感じたことは確かである。


次に、ある若者が「今つきあってる彼女とは結婚できますか」と質問した。それに対しては、あっさりした口調で「だめっ、その彼女、あんたじゃない男がいるじゃない、その男と結婚するのよ」という。 私はそのとき、まずいことをいうなと思った。はずれたらどうするつもりなのか。だが、それから約4か月後、叔母の予言はズバリと当たった。若者の彼女は別の男と結婚したのである。


また、当時、ホステスをやっていたある女性が「私と今一緒にいる男ですけど、この人とは将来どうなるでしょうか」と聞くと、叔母は今度は非常にむずかしい顔になり、しばらく考えてから「その男の人は何という名前」といい、名前を聞くとまたしばらく考え、「今年いっぱいね、来年になると会えなくなるわ」とはっきり答えたのだ。


その答えに対して女性が「ほかに好きな女がいるとか・・・」というと、それには答えられず、何か考えている状態が続いた。  しかし、これもそれから約半年後、驚くべき結果がわかった。その男性は傷害事件を起こし、前科があったため、その年の暮れから7年の刑で服役することになったのだ。 このとき質問した人たちは、全員、叔母とはまったくの初対面であり、ましてやホステスがつきあっている男性に前科があったなどということはだれも知らなかった。


また、ほかの実験で、その場にたまたまスポーツ新聞があったので、次の日の競艇の予想をしてみようという話になった。  ほとんど遊び半分で、4、5人いたなかの森出(仮名)という男を選び、催眠導入し(彼は以前に何度か催眠導入している。また、競艇は知っているがあまり興味はない)、次の日の予想をさせたところ、もしも12レース中すべて3点買いしていたら、10レースは的中していたという結果が出た。


その後、偶然か偶然でないか、たもう一度やってみようということになり、再度、試みたところ、今度は8レース中7レース的中という結果が出た。  このとき、森出は初回のときも2回目もなぜか「頭が割れるような猛烈な痛み」に襲われたそうである。それ以後、この実験はやっていない。もちろん、森出の頭の痛みは、これも催眠によって徹底的に抜いたことはいうまでもない。


ほかの実験では、他人の小銭入れの中身は、ほぼ確実に当たるという結果が出た。被験者を催眠導入し、小銭入れの中を“見させた”ところ、10円玉いくつ、100円玉いくつ、と正確に答えるのである。しかし、紙幣や力-ドなど、いろいろなものが入った財布はうまくいかなかった。


それにしても、これはどういうことなのだろうか?こうなるとただの思い込みではとても説明できない。明らかに超常能力が芽生えたとしか思えないのである。ただ、おもしろいことに、この種の実験は、催眠に入ればどんな被験者でもできるというものではなかった。といっても、被験者がもともと特別な能力を持ち合わせていたというわけでもなさそうなのだ。私もよく知っている叔母がそうであるように、普段はごく普通の人たちなのである。 この差がどこにあるのか、この超常能力がどこからくるのか、なんとも答えの出しようがないのが現状である。