催眠術師 催眠心理療法士 浪花之哲 【 山野 哲司 】

催眠術師 浪花之哲が、大阪を離れて
新天地 九州 博多天神で大暴れ
さてどうなるやら !

コールド・リーディング 2

基本は「釣り」 コールド・リーディングの基本は「釣り」である。エサとなるのは「キーワード」で、このキーワードの反応を見ながら、 当たりが釣れるのを待つのである。 たとえば、「あなたは最近、失ったものがありますね」と言ったとしよう。 この場合、疑問文のように文末を上げる感じで言うと、相手は引っかかりやすい。 「ええ、妻が最近亡くなりまして」とか、「親友とケンカ別れしちゃったんです」 または何か物を失くしたことを話し出すかもしれない。いずれにしろキーワードを含めて問いかければ、 “困りごとがあって相談にやってきた客”は自分に当てはまる出来事を勝手に探し出してくれるのだ。(※注1) 【※注1】 場合によっては相手の反応が薄い場合もある。そういう時は表情や微妙な動き(首を少しだけ縦に振るなど)をよく読む。 電話などの場合であっても、反応までの時間などで正しい方向に進んでいるかどうかがわかる。 ジョー・パワーの実演 ここでは実際のコールド・リーディングがどのように行われるのか、実例を紹介してみたい。 イギリスのリバプールに、ジョー・パワーという人気の霊能力者がいる。彼は霊界とコンタクトして、 相談者と関係がある故人から情報を得られるのだという。以下は、彼の交霊会イベントに集まった観客たちとのやり取りの一部である。 ジョー 「亡くなったご主人が心配していますよ。腰が痛むんじゃないですか? ヒザも痛むでしょう」 女性A 「はい」 ジョー 「親戚にジーン……、いやデビーという名前の方はいますか?」 女性B 「はい、おばがデビーです」 ジョー 「ポールという知人がいますか? ポール……お友達とか」 女性C 「はい、ポーリンという知人がいます」 ジョー 「5という数字が見えます。家族、兄弟でしょうか」 女性A 「はい、女の子が5人に男の子が1人います」 これを見ると、全部、言い当てているように見える。ところが、この交霊会に参加したマジシャンのダレン・ブラウンと 心理学者のリチャード・ワイズマンによると、これらは全部、コールド・リーディングの可能性が高いのだという。 どういうことか。まず、女性Aはかなり年配の女性であったことから、ご主人が亡くなっているであろうこと、 さらには高齢者にはよくある腰痛やヒザの痛みを持っているであろうことは容易に想像がつくという。 次に女性B。実はこのとき、最初に「ジーン」と言ったときは無反応だった。そこで次に別の名前を出して当たったのである。 もしまた無反応であれば、他のありそうな名前をあげていけばよい。 ちなみに「デビー」という名前の人物が「おば」であることは、女性自身が数多くの親戚の中から自分で探して言い出したことである。 続いて女性C。このときは、「ポール」という名前に該当する人物がいなかった。しかし女性はそれを外れだとは考えない。 該当する人物がいないのであれば、似たような名前を自分で探し、見つけるのである。 最後に再び女性A。ここでは「5」という曖昧なひとつの数字に対し、「女の子が5人」だと答えている。 しかし通常であれば、ここは男の子も含めて「6人姉弟」、もしくは「子どもが6人いる」と答えるところである。 けれども「6」では数字が合わないため、数字が該当する分け方を自分で探して、当てはめたのである。 このように、一見、当たったように見えることでも、ワイズマンらによれば、実は外見などから予想がつくものだったり、 エサとなるキーワードに釣られて自分から言い出したことだったりする場合も多いという。注意しておきたい。